高齢母と娘のオランダ・ベルギー、ふたり旅 11日間

高齢母(リウマチの為、あまり歩けない)との旅日記。何とか無事に帰って来ました。

<はじめに>

 

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70代半ばの高齢母(リウマチの為、あまり歩けない)と、11日間のオランダ・ベルギーの旅に行ってきました。(2017年9月1日~9月11日)

 

数年前、母はリウマチを発症し、一時は歩行も困難、ほとんど歩けなくなりました。その後、毎日少しずつのリハビリを繰り返し、今は比較的長く歩くことができるようになりました。

 

とはいえ、20分歩いたらベンチ休憩をし、2~3時間に1回はカフェで30分以上の休憩を取らなければ体調が持ちません。 また薬を飲んでいるので、午前中は調子が良いのですが、午後になると元気もなくなります。 

そしてタバコも吸っているので、喫煙タイムも取らなければいけません。 

トイレも近いです。

 

・・・そんな団体旅行が不可能な母親をエスコートして、

何とか11日間の旅を無事に終えてきました。 

私と同じように、高齢の方を同伴するにあたって、

体調面や安全面、実用面に不安を感じている方の参考になればと、

今回の旅程で心掛けて来たことなどを綴っていきたいと思います。 

また女性のひとり旅でも、安全面に不安を感じている方の参考になればうれしいです。

 

*これから旅行を計画されている方、もう既に旅したことがある方、

単に興味がある方、どなたでも旅のコメントいただければうれしいです!

 

*下記、娘が夫と「南仏・スペイン巡礼路・ポルトガル」を旅した記録です。

よろしければこちらも覗いてみてください!  

 

tabihiyo.hatenablog.jp

 

 

<旅行先とスケジュールを考える>

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母親のリウマチが発覚して7年、リハビリを繰り返し、何とか歩けるようになった今、年齢的なことを考えても海外旅行に連れて行くのは今しかない!と思い、旅行先の選定を始めたのは6月。選定にあたって気を付けた点は以下の通りです。

 

1、安全な国、街であること(スリや盗難も比較的少ないところ)。

2、移動を少なくして連泊をメインにすること。

3、街がコンパクトで、宿泊先から見どころ(観光場所)に行きやすいこと。

4、タバコが吸いやすいこと。(路上やお店の外でなら、容易に喫煙できること)

5、2-3時間観光したら、一旦ホテルに帰り、数時間の休憩を取れること。

6、なるべく荷物を少なくして身軽に旅行できること。

 

母親と私の興味も考慮した上で、上記の点が満たされている国・・・と考えた時にふと思いついたのは、オランダ・ベルギーでした。 私は20年前にツアーで訪れたことがあるのですが、母親は行ったことがありません。 私の記憶ではスペインやイタリアなどの観光地と比べて、スリや盗難などの心配も少ないはず。 

 

アムステルダムブリュッセル2都市のみに連泊しながらも、日帰りで別の都市の観光もできるなど、ゆったりとしながらもバラエティに富んだ旅を組み立てられる。喫煙に関してもわりと寛容なようで、外であれば気軽に喫煙できそう・・・。

 

場所が決まれば、旅行日程の決定。 暑い真夏を避けつつも、まだ夏の余韻が残っている9月1日の出発に決定しました。 調べたところ、9月初めは最高気温18~20℃、最低気温11~13℃。 一日の寒暖差が激しいので、薄手のコートが必要と思われましたが、まさにこれが好都合。 肩かけバックの上からコートを着れば、スリや盗難の防止になり、安全面の心配がかなり和らぎます。 女性ふたり旅、特に高齢者の母親は、スリから見れば格好の餌食だと思うので、安全面がアップするのは何よりうれしいこと。

 

ざっと旅程を考えました。

 

                           <ブリュッセル宿泊>

 

この日程だと、宿泊地は2か所で済みます。 また母親の体調の変化に応じて、観光場所はいくらでも変更できます。 ブリュージュアントワープは、それぞれ日帰り列車の旅の予定ですが、切符は現地購入なので、体調により日程も変えられますし、体調が優れなければ、ずっとブリュッセルでのんびりしていても良いと思いました。

 

これくらいフレキシブルに対応できる旅程なら、何があっても対応できると思いました。母親にとってもプレッシャーにならず、良かったようです。

 

 

<航空機、ホテル、高速列車タリス、海外保険の予約>

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早速旅行会社に相談に行きました。

今回、旅行会社で手配をお願いしたいのは、航空機、ホテル、そしてアムステルダムブリュッセル間の高速列車タリス、そして海外保険。 

 

1.航空機の予約

 

オランダINのブリュッセルOUTということで、KLMオランダ航空に決まりました。 KLMは出発30時間前からネットでチェックインができること、その際に座席の予約が無料でできることなどをききました。 またエコノミーの中でもいくつか座席の種類があり、有料で予約可能とのことでした。 ただし、有料分の座席の予約は旅行会社では受け付けられないとのこと、まずは旅行会社で入金、発券し、その発券番号をもってKLMのHPへ行き、直接有料席を予約し、カード支払い・・・の流れとなるとのこと。 

 

良いことをきいたので、早速KLMのHPを確認したところ、普通のエコノミー席より、座席の間隔が10cm、リクライニングが2倍の「エコノミーコンフォート」という席があることを知りました。 エコノミー症候群を心配していた母親にはちょうど良い席だと思い、発券後、直接予約をしました。 片道25,000円弱(時期やタイミングで価格が違うそう)で買える快適さ。  

足の悪い母親が、到着後も元気に歩きまわれたことを思うと、足の悪い方には是非お勧めしたい席です。(特にリクライニングの角度が2倍だったのは快適でした)

 

2.ホテルの予約

 

さて、次にホテルについてですが、4つ星クラスにしたいこと、足が悪いので観光に便利なところで、疲れたらすぐに部屋に戻ってゆっくりできる距離のところなど、状況を説明しました。

担当の方がアムステルダムブリュッセルに詳しい方で、母親の状況と旅の日程を考慮して、アムステルダム中央駅とブリュッセル中央駅にとても近い、下記のふたつのホテルを進めてくれました。

 

 

これが本当に正解でした。 バルビゾンパレスもヒルトンも、各中央駅に近くて移動に長けているだけでなく、街の中心の広場(アムステルダム→ダム広場)、(ブリュッセル→グランプラス)にとても近い為、観光の合間に、一旦ホテルで休憩することもできました。 母親だけでなく、私も身体を休めることができて、エネルギーの補給もできました。

担当者の方が強くお勧めしてくれたので、助かりました。

 

予約の際にビュッフェ朝食付きにしてもらいましたが、これも正解でした。特にバルビゾンパレスの朝食は評判が良く、始めから朝食付きで予約するとかなり割安でした。

朝が苦手な私は、朝食を飛ばして昼食と夕食だけで良いのですが、朝が早い母親には、朝食がかかせません。 毎朝外でその朝食べるものを物色して歩いては、それだけで疲れてしまうので、朝からゆったりリッチな気分でスタートできることで、身体も心の余裕も違いました。 高齢の方をお連れする場合は、朝食付きがお勧めです。 

なお、私たちは観光場所も少ないゆったり型の旅なので、朝から1時間半もかけてビュッフェを楽しみました。

毎朝9時にレストランに行って10時半頃部屋に戻り、それから準備をして部屋を出るので、お昼前に観光開始・・・という何とものんびりな行程となりましたが、その余裕のあるスケジュールのおかげで母親の体調がもったのではないかと思っています。 ちなみに朝食に食べ過ぎて、昼食を取る余裕がなくなった為、その分の時間も節約できました。

(経済的にもお得です・・・でも現地のレストランでいろいろ食べてみたい!という方には夕食だけでは物足りないかもしれないですね)

 

3.高速列車タリスの予約

 

最後の予約は、高速列車タリス。 のんびりチェックアウトをしたいので、出発はお昼頃と考え、「12:17 アムステルダム発 → 14:08 ブリュッセル着」の2等車の予約をお願いしました。(2等車でも十分快適です!) ちょうど割引率の高い便だったので安く予約することができ、大満足でした。

 

4.海外保険の申し込み

 

ちなみに海外保険のことですが、AIU保険で申し込みました。 母親の持病の告知をした場合、せっかく保険をかけても現地での保証に影響があるのか心配でしたが、AIU保険は短期旅行に持病の告知義務はないとのこと。 例え現地で持病の悪化による入院があった場合も保証が可能とのこと、安心しました。 もしかしたら他の保険会社も同じような条件のところがあるかもしれませんが、とりあえず老舗のAIUを選びました。

(あくまで母親の事例を書きましたが、とても大切なことですので、ご検討の際はご自身でAIUに直接ご確認お願いいたします!)

 

最近は旅行会社に頼まなくても、ネットで航空機やホテル、列車の予約が自由自在の時代です。 でもあえて手数料がかかっても旅行会社で予約するのは、やはり現地での知識がもらえること、そして万が一何かあった時、窓口が統一されているのは安心なものです。 今回は特に母親が一緒なので、出来る限り安全で効率の良い旅にしたいと考えていたので、

旅行会社にまとめて手配してもらって良かったと思います。

 

そんなこんなで予約は完了。 

母親も病院で最終チェックをし、旅行に出かけてもOKが出ました。 念の為、英語でリウマチは何と言うかを確認し、現地で何かあっても、持病と服用している薬を伝えられるようにしました。 あとは体調を整えて出発を待つばかり。

 

では、早速旅程に沿って、旅の報告をしていきたいと思います。

 

 

<第一日目: 9/1(金)>  成田出発。

日暮里から京成スカイライナーにて、成田空港第一ターミナルより出発。

事前にネットでチェックインを済ませていましたが、出発の2時間前、08:30AMには空港に到着しました。 早速、KLMオランダ航空のカウンターへ。荷物も預けて、両替に向かいました。 

私が両替をしたのは千葉銀行三菱銀行がレートが良いという噂もありますが、同じ空港内ではそれほど変わらないのでは・・・と思い、KLMのカウンターから近い千葉銀行で両替しました。 その日の両替は、約134円→1ユーロくらいでした。

現地での両替はかなりレートが悪いとのこと、また基本的にクレジットカードは使いたくない派なので、余裕を持って両替、20万円→1,490ユーロになりました。

 

*ちなみに帰国時にオランダのスキポール空港でレートを確認したところ、約150円→1ユーロでした。 両替日が違うものの、あまりにレートが悪いのでびっくり。 

当然ユーロ→円もレートが悪いです。 スキポール空港では1ユーロ→110円でしたが、成田空港に到着して両替したところ、1ユーロ→124円でした。(どの銀行もほぼ同額でした)

やはり両替は、行きも帰りも日本の空港をお勧めします。

 

両替も済んで、母親も空港の外での喫煙を済まし、さてゆっくり出国手続に入ろうとしたところ、ぱっと眼に着いた「ライターは、預け荷物厳禁! 必ず手荷物で!」の文字。

うっかりライターをスーツケースにいれたまま、預けてしまったことを思い出しました。

今更カウンターに言ったところで、もう荷物は飛行機の方に運ばれているはず。

慌てて出国手続を済ませて、出発ゲートに向かいました。 ゲートでライターをスーツケースに入れてしまったことを伝えると、「特にお名前の呼び出しがなければ大丈夫です」とのこと。航空会社の方で、スーツケースに確認したい荷物がある時は、出発カウンターおよび放送で名前が呼ばれるようです。 今回、私たちは特に名前が呼ばれなかったので、確認不要とのことでした。 

火気厳禁は知っていましたが、ライターに関してはあまり注意を払っていませんでした。 

うっかりライターをスーツケースに入れてしまう人は他にもいると思ったので、それほど心配しませんでしたが、あとあと、例えば到着後のスキポール空港などで問題があったら嫌なので、出発カウンターで確認しましたが、大丈夫だと言われてほっとしました。

けれど基本的には火器厳禁なので、次回は絶対ライターはスーツケースに入れないように十分注意したいと思います。 勉強になりました。

 

タバコですが、慌てて免税で購入しました。 旅行会社から5%のサービス券をもらっていたこともあり、1カートン=2,800円くらいで購入できました。 1箱=240円弱なのでやはり免税は安いです。 ちなみにベルギーで購入しようとしたところ平均的なタバコで8ユーロ、約1,000円もしました。 喫煙者はなるべく日本から持っていった方がよいと思います。

 

いよいよ飛行機内へ。 やはり「エコノミーコンフォート」の席は快適でした。足もゆったり伸ばせました。 ただ足置きがないので、手荷物を平らにして足を乗せるようにしたら快適でした。 リクライニングも十分倒れて、よく寝て映画も堪能しました。 母親はうれしいことにとても元気で、食事を平らげただけでなく、夜中にはカップラーメンもいただきました(乗務員に言ってカップラーメンがもらえます)。

 

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エコノミーコンフォート・・・男性でも余裕

 

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母の足元もこんなにゆったり・・・

 

そして現地時間、15:10、アムステルダム・スキポール国際空港に到着しました。

母親の足も問題なく動き、元気もあったのでほっとしました。 早速、入国手続きとスーツケースのピックアップへ。 空港内や空港のまわりはスリや盗難が多いとのこと、肩から下げたハンドバックの上に秋コートを着て前を止めます。 また大きな手荷物はスーツケースに入れ直して、はみ出た分は、日本から持参したスーパーのようなどうでもよい袋に入れました。

 

過去に海外に住んでいたことがあるのですが、その際の経験でスーパーの袋は狙われにくいということを知っていたので、早速防御態勢に入ります。 かつ、スーパーの袋に入れたのは、万が一ひったくりにあっても良いようなティッシュ類など、どうでも良いものばかり。 これで注意を払うのはスーツケースだけで済みます。

自分でも過剰なくらいの気を付け方ですが、過去にスペインなどで数回ひったくりに合い、恐ろしい目にもあっていたので、ついつい防御に力が入ります。

 

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スキポール空港前で

 

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ひまわりのお出迎え

 

いくらなんでも、これで大丈夫!というところで、ゆっくり歩く母と歩みを合わせて、空港の外へ出ました。 向かうは、アムステルダム中央駅近くのホテル。 スキポール空港の地下からすぐに電車に乗れて20分くらいで中央駅に着くとのこと、普通は電車を選ぶと思いますが、母親の体力と安全面を考えると、まずはタクシーで向かうことにしました。

ホテルは中央駅の近くと行っても、運河を越えて5分は歩くよう。 スーツケースを引き摺りながら、ヨタヨタ歩く母と私の姿を想像すると、電車は疲れるように思いました。 今回は母親の体調と安全が最優先。 よってとても割高ですが、タクシーを使うことにしました。

 

約30分、68ユーロで到着(普段は50~55ユーロくらいで到着するようですが、最短の道が工事中とのこと。高くなることは乗車時にきちんと運転手さんから説明がありました。

Google Mapを見せながら、道を説明し、金額もきちんと事前に教えてくれたので、とても誠意あり、安全なタクシーだと思いました)

 

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アムステルダム中央駅

 

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聖ニコラス教会(左)とNHバルビゾンパレスホテル(右奥)

 

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NHバルビゾンパレスホテル



アムステルダム中央駅前のNHバルビゾンパレスホテルに到着。

ロビーはモダンで天井も高く、清潔な印象。 部屋も明るく、快適でした。

 

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NHバルビゾンパレスホテルのロビー

 

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私たちの宿泊した部屋

 

チェックイン後、ひと息つき、早速外へ。

ホテルの賑やかな裏通りを歩いていたら、いつのまにか飾り窓地区へ。

多くの観光客が行き交っていて、危険な香りはしませんでした。

運河を眺めながら、カフェラテを飲んで休憩。 

夜はステーキを食べて大満足の初日でした。

 

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飾り窓地区の運河

 

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ステーキ、おいしいね